【第2話】怒りと行動とシンクロ『黒いキツネが導いたソウルメイトとの出逢い』

こんにちは。
剣れいや(つるぎれいや)です。

この連載では、私がソウルメイトと出会った経緯と、その後の人生をお伝えしていきます。

私にとってソウルメイトと出会うことはゴールではなく、本当の自分として生きるための新しい人生のスタートでした。そして、自分と徹底的に向き合うための試練のようなものでした。


黒いキツネが導いたソウルメイトとの出逢い

〜これまでのお話〜

【はじめに】
ソウルメイトについて私がお伝えしたいこと。

【序章】
私がソウルメイトに出会うまでの経緯

【第1章】
第1話 不思議な夢

・前回のストーリーはこちら
第1話】不思議な夢

 


第1章
【第2話】怒りと行動とシンクロ

 

衝撃的な夢を見て、三日三晩忘れられなくなった。

そんな、人生で初めての体験をした。

 

「黒いキツネは、必ずいる・・・」

三日三晩、心がそのことでいっぱいになった。

しかし、意識が日常にもどっていくスピードは予想以上の早さだった。

いつしか夢の感動も手触りもうすれ、私は黒いキツネへの想いも忘れ、変わりばえのない日々に没入していった。



一年後。



私は、高校時代からやってみたかったドラムに、強く興味をひかれていた。

きっかけは、ささいなことであった。

たまたま知り合いのバンドの練習を見学にいったとき、ドラムの人が来なくて私が代わりにドラムセットの前に座った。

初めてのはずなのに、体が勝手に動いた。

私は過去に、ピアノやギターにチャレンジしたこともあった。しかし、ドラムとの出会いは、他の楽器とは比べものにならない感覚だった。

はじめて「自分の全エネルギーを受け止めてくれる楽器に出会えた」と感じた。

当時の私は、課題の多いデザイン系の学校に通っていた。


しかし、どうしてもドラムスクール代を稼ぎたかった。

なので、学業のあいまにメキシカンレストランで接客のバイトをはじめた。

この飲食店の接客はハードだった。


全メニューと、お酒の銘柄と、ボトルキープしてるお客さんの顔と、お客さんから預かった上着と・・・、全部覚えなければいけなかった。

接客自体は楽しかった。

失敗もしたが、いろいろと勉強になった。

しかし何が原因か分からないが、私はだんだんと鬱っぽくなっていった。


ちょうど住んでいた物件の更新の時期がきたので、私はバイトを辞め、都心から離れた郊外のアパートに引っ越すことになった。

その引越しの後、人生を揺るがすような出会いが待っていようとは・・・、当時の私は知る由もなかった。



引っ越して落ち着いてきたころだった。

高校時代から付き合っていた人間に、私は猛烈にキレた。

「もうダメだ」と感じた。

これっぽっちも私のことを大切になんか思っていないんだな。と。

むしろどうでもいいのだ。

私はただの都合のいい存在に成り果てているのだということが、ハッキリわかってしまった。


私は、その時はじめて、見切りをつけようと思った。

正直、愛想がつきた。

もう無理だ。

そして、相手の都合に振り回されるのではなく

「自分のためだけに生きたい!」と、思い、そうすると決めた。

決めた瞬間から、ハラの底から燃えるような意思と熱意が湧いてきた。



思い返せば、このとき私ははじめて

相手のために我慢することがどれだけ不毛でバカバカしい事なのかを悟り



そして、はじめて

自分が「自分の味方」をしようと決めたのだ。



私は、誰の意見も聞かず、誰の目も気にせず、自分のやりたいことをやる!と決めた。



本当の意味で自由になったと感じた。

自分で自分を自由にできるのだと知った。



私は、自分のバンドをやりたいと思った。



ドラムをやってはいたが、まだ初心者中の初心者。一曲も演奏できないレベルだった。

以前の私ならきっと

「こんなレベルなら、バカにされるに決まってる」と思って絶対にチャレンジしなかっただろう。



いつもそうやって、

傷つきたくない、恥をかきたくない、と

やるまえにあきらめていた。



でもこの時は違った。

できる方法だけを考えていた。



「私と同じくらいのレベルの初心者の人なら、組んでくれるかもしれないじゃないか」



私は、これまでにない力強いエネルギーを自分の中に感じていた。



今思えば、

自分の中に生じた「怒り」を相手にぶつけるのではなく

生じた「怒り」を抑え込んで、無かったことにするのでもなく、

「怒り」を行動エネルギーに変えて「自分の望む方向に向けて使う」という、はじめての経験だった。




暗い田舎の夜道を、猛烈な勢いで早足に自宅に向かった。



一刻も早く、出会いたい。

メンバーを見つけたい。



そして、帰宅するなりそのままパソコンに向かい、検索した。



「バンドメンバー 募集」

検索。



すると、音楽関係のメンバー募集サイトが何件も出てきた。

私は猛烈な勢いで、ページをあさるように見ていった。



そして、ひとつの書き込みに釘付けになった。



「俺の声を使ってくれ!!

男声ヴォーカル ざゆら」

 

衝撃だった。



なんなんだこの人は!!?





男性ヴォーカルではなく

男声?ヴォーカル



頭の中が「?」でいっぱいになったが、もうその人の書き込み以外、目に入らなかった。



やりたい音楽のジャンルも一致していた。

書き込まれた日付はかなり以前のようだったので

「もう他のバンドで決まってしまってるんじゃないか・・・」という憶測が脳裏によぎったが、すぐに振り切った。



そして、その人にすぐ

メッセージを送ろうとした。



「当方、初心者ドラマー・・・」



そうだ、自分の名前を決めていなかった。

ステージネーム・・・!



私は、小学生の頃から心の片隅にずっとあった、その名前を思い出した。

高校生の時も、その名前を何度か思い返していた。







この名前以外、考えられなかった。

決めた。



そしてメッセージを打った。

 

当方、初心者ドラマー  

蛉夜(れいや)

 

【次回へつづく】







剣れいや

 

 

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