夕焼けに感動していたら夕闇になった

夕焼けは、いつも

ほんの一瞬が美しさの頂点だと思う。

 

私は昔、夕焼けが見たくて仕事を選んでいた時もあった。

そのくらい夕焼けを見るのが好きだ。

 

昨日は、本当に美しい夕焼けだったので

手が勝手に動いた。

 

鮮やかなサーモンピンクと、

立体感を出すメディウム、

そこに金色の粉と銅色の粉をちりばめて

五色の青の絵具を重ね

ペインティングナイフと筆で画面に入っていく

 

鮮やかで

かつ影が浮き立つ

 

しかし

なにかこう、

もっとこう

 

深く広がっていく何か!!

 

そう感じて脱脂綿で塗り広げた・・

 

すると、どんどん意識が色の世界へ入っていき・・・

 

・・・

気づいたら

外には夕闇が広がっていて

 

目の前の画面は、

また同じように青く沈んでいた。

 

夕焼けの鮮やかなピンクは消えていた。

 

時間が積み重なって

記憶が折り重なって

あの時の一瞬の色は消えた。

 

感動したあの夕焼けを、作品として残すことはできなかった。

 

でも、なぜかとても満足していた。

 

私の意識は、

夕焼けの空と一体となって

 

夕焼けと共に、

夕闇へと変わっていった。

 

その過程こそが、

私にとって貴重な

人生の一瞬の時間だった。

 

 

 

作品として残すことよりも

 

感動する心を大切に

純粋な想いで動く。

 

それができたから、

私はきっと満足だったのだろう。

 

 

意図して完成に導くことは

時に容易い。

 

美しさを計画すれば

きっと、作れるのだと思う。

 

 

でも、私は自分の感動に

正直でいたいと思った。

 

 

外からの評価に惑わされず

自分の感性に妥協せず

自分なりのホンモノを追求していきたい。

 

 

剣れいや

 

 

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