こんにちは。
剣れいや(つるぎれいや)です。
お正月の記事のつづきです。
年越しチャレンジ2つ目。
元旦に炭火で餅を焼く
です。
私は震災後に火鉢がものすごく気になり、一時期かなり火鉢にハマっていました。
そのときに、くぬぎ炭という茶道に使う炭を手に入れたんですよね。
今は火鉢は手放したのですが、炭は「災害時にも使えそうだな」と思って取ってありました。
そしてこの年明け、急に「炭火で餅を焼きたい!」という欲がわいてきたので
以前、岐阜へ一人旅したときに買った飛騨コンロを使って餅を焼いてみることに。
火起しはけっこう大変でしたが、ちゃんと着火してくれたので、いよいよ餅を焼きます!
やっぱり炭だと風情がありますね!
炭というのは、炎ではなく遠赤外線を出しているため、ガスの火とは全く違う作用をするみたいです。
ガスの場合だと、
まず食材の表面に熱が当たる→だんだんと中に熱がつたわっていく、という感じになりますが、
炭火は遠赤外線が出ていて、食材の内側が反応するように熱がつたわって
外はさっくり、中はしっとりになるらしいのです。
火であおる、のではなく、じっくりと熱を伝えていく。
「これは人生においても、とても重要なことなんじゃないか!」と感じました。
とりあえず今は餅の話にもどります。
炭火は、時間をかけてじっくりと食材に熱が通っていきます。
すると餅の表面は乾燥してきて「大丈夫?カサカサ?」という感じになります。
でもここは不安な気持ちをおさえ
「これこそがスローライフなのだ。心を鎮めて待つべし」
と念じながら待つことしばし。
中からプーっと餅がふくらみはじめます。
この時の餅は、まるでカメのようにのんびりな動きで、あまりにもスピード感がないので不安になるのですが
この餅を割ってみると、びっくりするくらい柔らかくのびて、しかもなかなか冷めない!
おどろきです。
ガス火で焼くと、かなり早く焼けますが、冷めるのも早い。
電子レンジだと、もっと早く加熱できるけど、餅が形をとどめてくれない。
炭火で焼いた餅は、外はしっかり、中はやわらか、しかも冷めにくい。
加熱をする「火」のエネルギーでも、モノによって性質が違う。
そして、食材に対する作用もこんなにも違うんだなあと、つくづく感じました。
餅をいただいた後、炭火がまだ元気だったので、電気を消して眺めてみました。
炭火を使っているときは常に換気しなければいけません。
なので換気扇をつけ、さらに窓を少し開けておくのですが
炭の熱が体の芯までつたわってくるせいなのか
外から冷たい空気が入ってきてもそれほど寒くないんです。
これがまた不思議!
炭は他の暖房器具とはぜんぜん違うんですよね。
「いつかまた、火鉢のある冬を過ごしたいなあ」
と感じました。
火鉢なら、鉄瓶をかけて、沸騰してくれたら加湿にもなるし
いつでもお茶を淹れられる。
火鉢って、なんて素晴らしい暖房器具なのだ!
合理的すぎる・・・
それにしても、炭火の温もりは、本当に心まで温まる感じがします。
内に秘め、燃え続ける静かな火
火とともに暮らすというのはあこがれですが
西洋の冬をイメージすると、暖炉で燃えつづける、パチパチと鮮やかな強い火のイメージがわいてくる。
でも日本の冬は、炭火の中でゆらめく、静かで
火というよりは、強い熱のイメージ。
炭の中で、音もなく静かに燃える火。
炭は長い時間、熱を保つ。
そして、他の炭に熱を伝える。
他の炭に火がつけば、お互いの熱を補完しあって火を保ちつづける。
派手に燃え盛る火は
一瞬で他の薪に燃え広がるけど、スピードも速いぶん、勢いが衰えるのも早い。
対して炭は
ぱっと見、火がついているのかすらわからないくらい地味だけど
静かな熱を秘め、しっかりと守り、他の炭に伝え続ける。
炎をあげることもなく、目立たない炭は、長い間燃え続ける。
もちろん炭も、そのときの燃え方にあわせて、
炭同士の距離を調整したりと手間はかかるけど
「育てる」火という感じで、ずっと燃え続く。
長い間燃え続けられるような、しっかりとした情熱は、炭火にヒントがあるのかもしれない。
剣れいや
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