※ 2023.05.21 改訂
こんにちは。
剣れいや(つるぎれいや)です。
女性性でバランスを崩している方にとって大切なポイントを、こちらでお伝えしました。
【過去記事】
自分より相手を尊重するって本当に良いこと?バランス崩すと苦しくなる!エネルギーとしての女性性と男性性
今回は、
・忙しくないと不安になる。
・目標がないと落ち着かない。
といった、男性性でバランスを崩しがちな方にとって大切なポイントをご説明しようと思います。
エネルギーとしての男性性と女性性のお話。
※女性性の記事でも書いた内容となりますが、こちらでも一通り書いておきます。
人は、女性でも男性でも
それ以外の性別や、性自認であっても
一人の人間の中に二つの相反するエネルギー
女性性、男性性を持っています。
心理学的にはアニマとアニムスとも呼ばれ
女性性と男性性がうまくバランスしていると、
人間関係、恋愛、パートナーシップなどのバランスもとれていきます。
では女性性と男性性とは具体的にどんな性質なのか?
肉体の性別とは違う、エネルギーとしての女性性と男性性の性質の違いをご説明します。
エネルギーとしての男性性とは?
生物学的に、肉体が女性か男性かに関わらず、
また、恋愛対象が異性か同性かにもかかわらず、
人の中には男性性というエネルギーが存在します。
男性性の特徴は
成し遂げる 突き進む
という、一方向に向かって集中し進んでいくエネルギーです。
そして、何かを成し遂げるために進んでいくということは、必然的に
進むために必要なものを獲得し、不要なもの、邪魔なものを排除するということを行います。
判断したり、ジャッジすることで、削ぎ落とす、不必要だと判断したら切り捨てる。
洗練させ、鍛錬する。
無駄を無くし、効率化を図る。
自分の向かう方向性に対して阻害要因があれば認識し排除する。
これを繰り返し、前に進んでいくのです。
そのため、男性性を表す要素としては
分析、評価、判断、分離、攻撃、支配、勝ち取る、成し遂げるといったものがあります。
そして総合的に、行為(Do)を象徴します。
エネルギーとしての女性性とは?
生物学的に、肉体が女性か男性かに関わらず、
また、恋愛対象が異性か同性かにもかかわらず、
人の中には女性性というエネルギーも存在します。
女性性の特徴は
受け入れる、同化する
という、すべてを無条件で受容するエネルギーです。
無条件ということは、差を作らないということ、つまりノージャッジなのです。
どんな些細なものにも、すべてのものに価値がある。というスタンスです。
天は人の上に人を作らず・・という福沢諭吉の引用がありますが
究極の女性性とは、
天と地すら同じものであり、すべてはひとつである。=ワンネス
といった、結構ぶっとんだ宇宙的なレベルの概念にまで到達します。
そのくらい女性性のエネルギーは大規模であり、つかみどころのないミステリアスさがあります。
また「全ては無である」といった仏教の空(くう)の概念、あらゆる執着を超えた、悟りの境地にも通じています。
量子力学では、全ては無から生まれたと言われています。
宇宙の始まりの、その前には、完全な「無」であった。
(無なので、有ったわけではないのでしょうけど)
女性性の概念な意味においては「無」の境地も含まれます。
それゆえに、女性性のエネルギーは、
宇宙を作り出したビッグバンより前の「無」の世界のように
全てを生み出す可能性を秘めているのです。
女性性を表す要素としては
受容、共感、共有、統合、調和、育む、慈悲、創造性、生みだす、直感、感覚、感性といったものがあります。
そして総合的には、存在(Be)を象徴します。
男性性の強い人がバランスを崩すとどうなるの?
男性性の強いタイプの人は、女性でも男性でも、それ以外の性別であっても
自分のエネルギーが外側に向かっていきます。
そのため、社会的に、対外的に、成し遂げること、達成することにパワーを注ぐ傾向があります。
競争心があり、目的意識を持ちやすく、
チャレンジしたい!達成したい!評価されたい!
という欲が原動力にあるのです。
こういった傾向は、
これまで男性性社会であった資本主義社会においても優位に働きやすい性質なので、
出世欲を武器にガンガンのし上がってきた方も多いのではないかと思います。
しかし、現代社会に適応しやすいはずの男性性も、過剰になるとバランスを崩してしまい
人間関係、健康面、経済面でトラブルとなって現れたりするのです。
特に
男性性というエネルギー自体が外向きの性質を持っているため、つねに自分のセンサーが、自分の外側、つまり社会や他人をリサーチしています。
社会において自分がどう見られているか、どのポジションにいるかを常に気にしてしまい
さらにエスカレートすると、他人に対しても、何を成し遂げている人間なのか、経歴や実績で人を判断するようになります。
そうやって築き上げた人間関係では、緊張感がぬぐえません。
お互いの素の人柄や、自然体の飾らない部分を認め合う関係にはならないので
常にどちらが勝ち組み、負け組なのか、ステイタスを気にして上下関係を探り合う。
そんな、心に安らぎのない、表面的な関係になりがちです。
こうして、
男性性が過剰になりバランスを崩すと、以下のようなことが起こりやすくなります。
□ 達成しても喜びを感じられず、虚しさを埋めるように次の目標を立てつづける。
□ 忙しくないと不安になり、仕事中毒になる。
□ 休日に何をしていいのか分からず、常にリラックスすることができない。
□ 常に何かに追われているような焦りがつきまとう。
□ 遊んでいる人やのんびりしている人を見ると、努力していない人間だと感じて怒りが湧いてくる。
□ イライラする感情を相手のせいにし、相手を正論で裁いて追い詰めるので、人間関係が悪化する。
□ 弱みを見せると攻撃されると思い込み、強い自分を演じつづけて疲れ果てる。
□ うまくいっているときは気分がいいが、結果が出せなくなると自分には価値がないと感じ、自分を責める。
そして、男性性の強いタイプは社会的地位を求める傾向があるため、会社や組織において責任あるポジションについていたりします。
なので、いざ自分が疲れ果てて限界にきてたとしても、すぐにはその位置から降りられない気がしてしまったり
負けを認める感じがして、意地でもそのポジションにしがみついてしまう、という場合もあります。
男性性の癒しの具体的な方法
では、バランスを崩して疲弊してしまった、男性性の強い人々(男性も女性も)は、
一体どうやったら癒されるのでしょうか?
その鍵は、
男性性と女性性のバランスをとることにあります。
記事の冒頭でもお伝えした通り、両極のエネルギーがバランスよく機能することで、精神的にも肉体的にも、現実面のバランスがとれていきます。
自分の中の男性性によって苦しい状況に立たされてしまった場合
対極にある女性性のエネルギーを使うことで崩れていたバランスをとり戻すことができます。
そうは言っても、具体的にどうすればいいのか?
ちょっとわかりづらいですよね。
「女性性でバランスを崩した場合」を解説した記事でも書いたのですが
自分の内側に、女性と男性のカップルがいることを想像してもらうと、分かりやすいかもしれません。
・これまで長い間、男性性は、何かを成し遂げなければいけないと感じ、走り続けていました。そして、目に見える結果を残せないのは悪だとさえ思っていました。
・そして女性性は、そんな男性性の状態に違和感を感じてはいましたが、「もっと休んだほうがいいんじゃないか」と伝えても、「何もしていないお前に何が分かる!」と言い返されてしまうので、結局何も言えなくなっていました。
この例えが、男性性でバランスを崩した状態です。
男性性でバランスを崩してしまう人は、
幼い頃から家族の期待を一身に背負っていたり、
頼りにならない両親を見て「自分が頑張らなければならない」と思い込んでいたりします。
これは、本人が望んでやっていたというより、周囲の人間関係のバランス調整のために頑張りすぎていた、ということが多いです。
「異常な努力をしてしまう」のは、もともとの性格ではなく、女性性が抑圧されている状態なのです。
では、どうなるのが理想なのか?
さきほどの例えを使って見てみましょう。
男性性は、とうとう走り続けることに耐えられなくなり、ついに倒れてしまいました。
「走り続けることができなくなった自分には、もう生きている価値すら無い・・・」
そう思った時、ずっと黙って見ていた女性性が、動けなくなった男性性を、そっと抱きしめました。
その時初めて男性性は、これまで無益なものだと軽視し、遠ざけていた女性性が、どんなときにもずっと側にいて支えてくれていたことに気づいたのです。
男性性が強い人にありがちなのですが、女性性を発揮するのは弱いことであり、恥だと思いこんでいることがあります。
原因としては、幼い頃、身近にいた女性性の強いタイプの人が自分を守ってくれなかった、助けてくれなかったことで傷ついたり、もしくはそれによって身近な人が傷ついているのを見た経験があったりします。
こういった経験があると、女性性の良い面を知らないので、
女性性は人を救うことができない、弱くて頼りないものだ!だから悪なんだ!と思い込んでしまい、
自分が女性性を使うことに抵抗が出てしまうのです。
「悪いことだ!」と思っていたら、それをやらないようになってしまうのは、仕方のないことだと思います。
しかし、これまで無価値だと思っていた女性性が目覚める時。
さきほど女性性の項目で説明したように
受容のエネルギー、慈悲のパワー、存在自体を愛する意識が生まれます。
こうして、これまで封印されていた女性性(Be)が発揮されると、
何もできない自分であっても価値があるのだということを、受け入れることができるようになります。
Be=存在ですから、つまり自分自身の存在を受け入れるということです。
「もう死にもの狂いで頑張らなくていいんだ。何も成し遂げなくても、存在している命にこそ価値があるのだから」という、自分を慈しむような感覚が芽生えます。
男性性が強い人が女性性を取り戻すとどうなる?
男性性が強い人が、女性性を取り戻し、バランスが取れるようになると
できない人の気持ちや、達成できない無念などの
人の心の痛みを理解することができる慈悲の心と、
もともと持っている達成するためのバイタリティや、戦略的思考を併せて発揮できるようになります。
それは、頼り甲斐があるけど威圧的ではない、
人間味のあるリーダーシップとして現れ、多くの人を勇気づけます。
これまでのような、
目的のためなら手段を選ばない
地位や実績を追い求め、人を支配しコントロールしたがる専制君主ではなく、
自分や相手の存在、繊細な心を尊重しながら、
相手を支配することなく、勇気づけながら社会的成功に導くといったことができるので
人望のあつい、人徳あるリーダーになります。
癒しは、お金では買えない
男性性を発揮しすぎて疲弊している人は、自分の中の女性性を目覚めさせ、戦うことに疲れてしまった自分を許し、受け入れてていく必要があります。
しかし、社会的成功に目を奪われがちな男性性の強いタイプは、なんでもお金で解決しようとしがちなところがあります。
もちろん、女性性を発揮する感覚を掴み、本当に自分を大切にしようと感じて、その結果としてお金をかけるのは問題ありません。
しかし、自分を大切にできない虚しさを埋めるように、浪費や豪遊をしてみたり、たくさんの愛人を作ってみたあげく、まったく満たされないことに気づき、余計に空虚な感覚になってしまう場合もあるのです。
自分の外側の世界に目が行きやすい男性性タイプの人は、
より入念に、丁寧に、自分の内側と対話する習慣を持った方がいいのです。
瞑想やリラックスタイムを積極的に取り入れ、ただ在るということに意識を向ける必要があります。
どうしても一人では難しいという場合は、「自分を満たすことを自然に行なっている人」と一緒に過ごしてみたり、信頼できるカウンセラーやセラピスト、ヒーラーなどに相談してみるといいかもしれません。
そして、一度、女性性を発揮する感覚をつかむことができれば
自分で自分を癒すことができるようになり、
その余裕と安心感を感じとった周りの人が、その人柄に惹かれて自然と集まってくるようになります。
これまでの、品定めしあうようなギスギスした人間関係から解放され
自然体で、お互いの価値を認め合い
なおかつ、社会的にもしっかりとした基盤を築くことができる、
精神的にも、経済的にも、豊かで充実した人生を送れるようになるでしょう。
それこそが、バランスが取れた本来の男性性のエネルギーです。
まとめ
男性性の外向きのエネルギーが、暴力的な形ではなく、
人間的な温もりをもった状態で、社会に向けて発揮されるには
自分の存在を受け止め慈しむ、女性性のエネルギーが必要です。
男性性の強い人が女性性を発揮することは、
恥でもなんでもなく
自分も周りも幸せになることができる、最高に理想的な方法なのです。
男性性が強すぎてバランスを崩している方の参考になれば幸いです。
剣れいや
「男性性でバランスを崩すと仕事中毒になる?女性性と男性性のバランスについて、性別のないカウンセラーが解説」への 1 件のコメント
大変参考になるお話でした。
男性性が強くてそれが良いことだと思っていたのですが…バランスを崩しておりました。