【Departure】〜旅立ち〜 Reiya Tsurugi ART Garelly

Departure

この作品は、2019年のある日

 

感情の渦に飲み込まれそうになった

ある晴れた日の夕方に

私のなかのPYANKOを救い出すために、描きました。

 

私は、PYANKOと、

こどものころにつながっていました。

 

しかし、いつしか、PYANKOは居なくなりました。

 

 

わたしは、そのときから、絵が描けなくなりました。

 

何を描いたらいいのか

何を描きたいのか

わからなくなったのです。

 

 

でも、30年以上のあいだ

PYANKOは、待っていてくれました。

 

私が気づいてくれるのを待ってくれていたんです。

 

 

私は、その日

PYANKOが内側からはげしく扉を叩くのを感じて

今度こそ逃げずに、ちゃんと開けてあげるんだと

 

 

必死で

必死でもがきながら

 

脳が抵抗しているのを

とにかく押しやって

 

その向こうで

大声で泣きわめくPYANKOが待っているんだ

 

いますぐ助け出すんだと

決意して

 

その扉をひらくために

描きました。

 

 

 

それは、ひとときの嵐のようでした。

 

 

 

なにもかもが終わってしまうのではないかと

そう思えるほどの・・・。

 

 

 

真っ暗な

迫り来る

漆黒の闇

 

 

私は、無意識に

PYANKOと手を繋ぎ

 

アートという武器で

立ち向かっていた。

 

 

 

 

この作品という世界が

生まれたあとの

 

心が晴れやかになった

あのときの気持ちを

 

いまだに覚えています。

 

 

晴れた日の夕暮れの

遠くまで見渡せる海岸線

 

その海風に吹かれるような

 

なんともいえない余韻がただよいます。

 

 

これからの夜が

おだやかであることを

楽しみに待つような

 

そして無事に一日が終わっていくことへの

安堵感のような

 

すこし名残惜しいような。

 

 

そんな空気でした。

 

 

さっきまでの嵐が嘘のように

おだやかな、おだやかな

心持ちになりました。

 

 

 

扉を開けるための嵐は

過ぎ去って

この絵の中の世界となりました。

 

 

私とPYANKOにとって

それは過去となりました。

 

 

作品というのものは常に

過去のものです。

 

だから、未来を生きるためには

新しくつくり続ける。

 

次のとびらを開くために。

 

これからは

ひとりじゃない。

 

PYANKOと共に

つくっていく。

 

 

剣れいや