何もできなくて、いい。

何もできない。

だから自分には存在価値がない

 

 

 

「なにもできない」から。

 

 

そう言ってよく

自分を責めてしまう。

 

 

 

 

 

何もできなくても、いいじゃん。

 

何もできなくても、今、生きてる。

 

 

何もしてないけど

存在は、してる。

 

 

本当に存在する価値がなかったら

最初からすでに存在していない、

 

と、どこかで聞いた。

 

 

 

 

何もしていないときの大切さは

何かをしているときにだけ感じる

 

 

 

 

ドラムは、

 

音を出している時間よりも

音が出ていない時間の方が

圧倒的に多い。

 

 

他の楽器では、なかなか無い現象だ。

 

 

 

だから、ドラムの演奏は難しい。

 

音を出しているときよりも

音を出していない時のほうに

意識を集中させなければならない。

 

 

だって、音を出してる瞬間は

ほんの一瞬。

 

そして次の瞬間には

別の動作に移らなければならない。

 

 

音を出す一瞬を、

最高の一点に持っていくためには

 

音を出していない時間を

どれだけ濃厚に感じ

 

その無音を意識して過ごせるか?

そこにかかっている。

 

 

その、何も音を出していない時間こそが

音を出す一瞬をつくっているから。

 

 

 

 

 

もしかしたら、人生も同じかもしれないと思った。

 

 

「なにもできない」のではなく

 

実は、深い部分で、

 

 

今は何もしなくていい、

むしろ、何もしないほうがいい

 

って理解していて

 

 

今は、やがてくるその時に

とっておきの1音をだすために

 

じっくり内側で準備している期間だったりする。

 

 

 

 

このことは、

幼虫が蝶になるプロセスにも似てる。

 

 

幼虫は、さなぎの期間を経なければ

蝶になることはできない。

 

 

さなぎの時間を、自分の意思で

短縮することもできない。

 

 

さなぎは、まったく動いていない。

 

 

 

でも、何もしていないのだろうか?

 

 

 

 

さなぎは、動くことはできないけれど

 

 

神秘的なプロセスによって

自分の内側で

いちど過去の自分を溶かし

未来の自分を構成している。

 

 

 

さなぎは、それを考えてやっているのだろうか?

 

たぶん、DNAが勝手に

そのプロセスを起こしている。

 

誰にも説明のつかない世界。

 

 

 

ただ、それは起きている。

 

 

 

 

 

きっと

動けないのであれば

必ず理由があるものなんだ。

 

 

動かないほうがいいのか

動きたくても動けない!

というメッセージなのか

 

 

それを自分自身に問いかける。

 

 

 

本当は、自分でわかっているから。

気づかないふりをしてるだけ。

 

 

このままで間違っていない。

ということも

 

 

かならず、いつか「その」タイミングがくる。

ということも。

 

 

 

だから、ピンときたときに

動けるように

 

安静にする時期なのかもしれない。

 

 

動けないのなら、

いまは、そのままでいい。

 

 

 

幼虫は、蝶の夢を見ない。

彼らは、未来の自分を思い描かない。

 

 

 

ただ、自分の内側にしたがって

自然なプロセスに導かれ

いつのまにか、さなぎになり

 

あるとき、急に

 

古い自分のカラを、

内側から破って外の世界に出ていく。

 

 

 

 

人も、そう。

 

理想を無理やり描かなくても

 

内側に従って、ひとつひとつ

ステップを踏み

 

止まりたくなったら止まり

動きたくなったら動く。

 

それでいい。

 

 

 

ただひたすら

自分に正直に、

自分をごまかさずに生きていれば

 

 

いつか、自分にしかたどり着けない世界で

自分でも想像のつかない自分になっている

 

 

 

この世界は、

実はそのくらい

 

シンプルなものだったりするんだ。

 

 

 

 

剣れいや

「何もできなくて、いい。」への 1 件のコメント

  1. 「さなぎは、動くことはできないけれど
    自分の内側でいちど過去の自分を溶かし
    未来の自分を構成している」という言葉が、
    今、動けない自分には、とても身に染みました。

    おかしな生育過程でゆがんでしまった心の構造は
    蛹になって一度溶かし、
    新たに再構成して、今度は本物の個性化へ飛び立つ。
    昔読んだ、ヘッセのデミアンという小説を思い出しました。

    素敵な言葉を、ありがとうございました☆

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