感情も心も殺した、誰かの受け皿としての人生

一、誰かの感情の受け皿としての人生

 

人間関係を築くということは

誰かの感情の受け皿になることではない

 

 

心理学を学び

その事実を知ったとき、

 

衝撃だった

 

 

 

 

幼い頃から常に、

誰かの感情の受け皿になることが役目で、仕事だった

 

「遊ぶ」という感覚はなかった

 

遊んだことがなかった

 

 

 

毎日命がけの仕事だった

 

すべて背負っていたなんて知らなかった

倒れるまで知らなかった

 

 

幼い体で倒れた時

自分が理解できなかった

 

 

機能を果たすロボットであったはずの自分が死んだ

 

 

機械なのになんで死ぬんだ

おかしいだろう

 

おかしいだろう

 

 

自分はおかしいんだと思った

自分が悪いのだ

 

 

心を殺すことができず

みんなの役に立つ道具になれなかった

 

 

 

自分の心なんて、感情なんて邪魔だった

コレがあるから苦しくなるんだ

 

 

封印した

 

確かにあのとき封印した

 

 

せっかく封印したのに

なんで、ちゃんと機械になれないんだ

 

 

何も感じなければ

何も思わなければ

 

機械になって

 

みんなイライラせず

普通に過ごせるのだ

 

そのあと

「良いこと」をすれば

 

褒められてヒツヨウとされて

シアワセに生きられるのに。。。

 

 

・・・・それにしても

 

シアワセって何だっけ

 

 

まあいいや

 

 

とにかく、

機械なったのに倒れるなんて

 

 

自分はおかしい

壊れているんだろう

 

ポンコツだ

 

 

でも、なんとかしたくても、なにもできないや

 

 

自分で自分を直せないなんて

ろくな機械じゃないんだ

 

 

こんな惨めな気持ちは

二度と味わいたくない

 

 

おかしくない自分になりたい

もう二度と、残念な目で見られない

 

 

 

 

強くて立派で賢くて素晴らしい

自分になりたい

 

 

 

 

世の中から評価される

誰からも好かれる

親しい人たちは誇りに思われ

仲間からは羨望のまなざしで見られ

見物客からは驚嘆の声をあげられる

 

そんな功績を残したい

 

 

 

 

 

 

理想論という名の欲が、

操縦席についた。

 

 

仰々しく胸を張り、

もったいぶった動きで操縦桿を握った。

 

 

 

 

いくぞ

 

 

 

戦いのはじまりだ

 

巻き返しを図るのだ

 

 

 

 

お前を惨めな奴だと馬鹿にし

お前を貧弱でなんの価値もない奴だと

そうけなして、蔑んだあの奴らを

 

 

お前を見下してきた奴らを、叩きのめしてやれ。

 

 

 

私は、Yes と

 

言った

 

 

 

そうだ、きっと

コレの言うとおりにすれば

機械になれるんだ

 

 

 

どんなときも泣き言を言わず

心が折れそうなときは心を殺し

ひたすら前だと思う方へ進んだ

 

 

巻き返しを図るために。

 

 

 

2004年

 

社会のレールから降りた。

 

 

貧民街をさまよい

路上でうずくまってぼんやり行き交う人をながめ

 

 

 

それでも負けたくなかった。

死んでも負けたくなかった。

 

 

 

 

自分として生きてやる。

 

 

 

 

使えるものはなんでも使ってのし上がれ

栄光を手に入れるのだ

そうすれば二度と馬鹿にされないのだから

 

 

 

行き着くところはわからなかった。

 

 

 

でも、絶対に負けたくなかった。

 

心など邪魔だ

感情などいらない

 

とにかく進め!

 

 

 

その先では

 

社会のレールに疑問を抱き

表現をすることで

戦う仲間たちに出会った

 

命を落とした人もいた

 

 

彼らに手紙を書いては燃やし

天にとどけと祈った

 

 

私は先に進む。

 

天国で待っていてくれ

地獄でもいいけど

 

 

 

 

私は進んで行った

 

前に進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・つもりだった

 

 


 

二、安定と書かれた看板

 

 

剣れいや

 

 


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