自分自身の最大の敵と対峙する

 

それはまるで、自分自身の似姿のようであり

そして、ありのままの自分を押し殺した原体験の記憶。

 

外在化させていた敵と縁を切り

内なる自分自身の手を握り

 

強い思いとともに

走り続けた先に

たどりつく場所。

 

そこは、これまで聞こえてきた仲間の声も聞こえない

 

これまで手を携えてきたパートナーがいたとしても

その手すら握ることのできない

 

荒涼とした、不毛な大地が広がっているだけの場所。

 

 

なにより心許ないのは

自分が取り戻したと思っていた

自分自身との絆が

 

息も絶え絶えなほどに

希薄になって感じられていること。

 

 

あたりを見回しても

敵は見えないが

 

阻むものがいないにもかかわらず

 

 

これまで足早に歩みをすすめてきた自分自身が、一歩も前に進めない。

 

 

そして、進む意義すら見出せない。

 

そんな混沌の地が、そこには広がっている。

 

 

そして、あることに気づく。

 

もっとも大きな敵は

自分自身の中に潜んでいたことに、

 

 

その敵は

まるで自分自身である。

 

自分そっくりな姿をして

自分の得意分野を得意とし

 

自分そっくりの思考をしている。

 

自分と同じような行動パターンを持っている。

 

本当に気の合うやつだ、と思える。

 

 

 

しかし、だまされてはならない。

 

じぶんそっくりのその存在こそが

 

 

もっとも自分に近いように感じる

その存在こそが

 

これから先の行く手を阻んでいるのだ。

 

 

 

その敵と対峙するとき

まるで鏡を見るようだ。

 

自分と

 

同じ不安を抱き

同じ逃げ道を頭に描き

 

同じように甘い考えを抱いて

今回も、以前のように

 

うまくやりすごせないかと画策している。

 

 

人生の転機には

自分と同じ強みを持つ敵が現れる。

 

 

それは自分自身だ。

 

 

 

最強の敵は、自分自身なのだ。

 

だからこそ、

自分の強みは、弱点にもなりうる。

 

 

これまでは、誰かがフォローしてくれて

うまくやりおおせたかもしれない。

 

 

でも、人生の転機においては

わけが違う。

 

 

自分一人で渡りきる必要のある

その一本橋の上では

 

他の誰かの手を借りることはできないのだ。

 

 

決してあきらめず

強い意志と決意をもって

 

そこに

むかっていったとき

 

強力なサポートが現れることがある。

 

 

 

しかし、そのサポートの存在意義を見誤ってはならない。

 

楽に、うまくクリアできそうに思えることの中には、真実は存在しない。

 

 

 

 

 

最大の敵は、自分の内側に存在している。

 

 

そして、それは鏡をみるかのように

 

いやおうなく

自分の似姿を見せつけられる。

 

 

新しい自分との出会いは

古い自分の死とともにある。

 

 

古い自分の幻影に、剣の矛先を向ける。

 

その、死に向かう恐怖とともに。

 

 

 

 

これから起きることを

すべて手放す。

 

期待すら無くし

 

ただ、己の信じる思いを

ただ、歩むために

 

純粋な思いのまま

剣を向ける。

 

 

ただ、前に進むために。

 

 

 

 

 

 

剣れいや

 

 

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