まだ、メンバーが揃っていないから
進めない。
そういう事態が
人生には度々起きる。
そのメンバーが合流するまで
立ち往生することになる。
最も気づきにくいのは
合流できずにいるのが
他人ではなく
「過去の自分」だったときだ。
いきたい場所があるのに
動けない。
進めない。
そんな時は
動けない自分を責めている場合じゃ無い。
状況それ自体が
過去の自分からのSOSなのだ。
自分と向き合い
ただひたすら
動けない本当の理由を掘り下げる。
合流しなくてはならない。
時間軸を順にたどりながら
呼び鳴くサーチライト。
それは
いつの自分なのか。
過去へのタイムトラベルがはじまる。
表現をみちしるべに
過去へと潜れ。
大丈夫。
戻りたくなったら
この表現を
樹海の中の小石のように
たどればいい。
他の小石に紛れぬよう
注意を払いつつ
精神を注入する思いで
小石を落としていく。
辿れ
辿れ
ひたすら潜れ
もっと深く
記憶の奥深く
あまりの惨さに
目をそらし閉ざした
風化した扉に手をかけろ
感情さえもうごかない
鉄の扉は石に変わり
それはもう
今の私なら
砕けるはずなのだ
蔦の絡まる、苔むした扉。
砕けるか。
足元に見つかる
そう。
頭くらいの大きさの石。
カズラのつるを巻きつけろ
そのまま大きく振り回せ
その扉を叩き割るために。
私の感情は還ってくる。
明け渡したその瞬間まで巻き戻せ
衝撃で思考を止めたその瞬間まで。
理解を超えたその虚構は
今はもう
あなたの前に立ちはだかってなどいない。
解っている。
信じたかった。
嘘でもいいから。
もういい。
還ろう。
もう二度と、戻らなくていいように。
征け
過去の記憶よ。
もう扉は閉ざさない。
それはありのまま、
そこにあり続ける。
見ないふりをすることも
過剰反応することもない
鉄の扉も
石の扉も
その胸の中に置いていけ
あるがままに
風化させる
時が大地を癒すように
水に撫でられて脆く
風にあおられて密かに
ただ
私の中の風景のひとつとして在れ。
もう、意識することもない。
私は合流する。
剣れいや
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