翼をひろげて窮屈なら、翼を閉じるんじゃなくて、そこから出ればいい

みんなが、苦しいのは

 

無力だからじゃなくて

可能性が無いからじゃなくて

 

自分の可能性の翼を

広げてはならないと、教えられているから。

 

とても狭いところにとじこめて

翼が広げられないように。

 

でも、どんなにごまかしていても

あるとき、気づく。

 

こんなの、自分じゃない・・・って。

 

そして、忘れたつもりになっていた翼を

ちょっと動かしてみたりして

 

「あ、動く・・・」って思ったりして

 

 

誰もいないのを

きょろきょろ確認して

 

おずおずと、その翼を

ちょっとだけ広げてみたりして

 

これって、なんのためにあるんだっけ・・・って

 

手持ち無沙汰な、その翼を眺めながら

ひとり、考え込んだりする。

 

 

まだ、思い出せない。

 

 

いつだったのか。

この翼を広げることを、自分に禁じたのは。

 

複雑な思いは

徐々に、苛立ちに変わっていく

 

そして、その苛立ちは

行き場のない怒りに変わっていく

 

 

そして、いつしか

その怒りは

 

呼吸を禁じられていた獣が

生きる意志を取り戻すように

 

野生の熱を帯び

外へと向かうエネルギーに変わる。

 

そして、

最後に

 

怒りという蓋の下に沈んだ

 

深い悲しみと、対面する。

 

その悲しみと、絶望に

再会すること

 

ただそれだけを、怖れていたのだと気づく。

 

 

翼は、ずっと変わらず

あなたとともにある。

 

片時も離れたことはなかった。

 

記憶から消していただけだった。

 

 

そして、

可能性と

あなたは

 

永いあいだ

切り離されていただけだった。

 

 

 

 

翼を広げるということ。

 

それは、過去の苦しみを清算すること。

 

 

 

その翼をおしとどめる場所を選んできたのは

 

 

ずっと翼をたたんで生きていた

過去のあなた。

 

 

 

誰も、悪くない。

何も、悪くない。

 

ただ、封印していた感情と

折りたたまれた翼があった。

ただ、それだけだ。

 

 

翼を広げる。

 

そしたら、翼を広げたあなたにふさわしい場所へと、

翔べばいい。

 

 

誰も悪くないし

誰の許可もいらない。

 

あなたが自由に、幸せになること以外の貢献なんか、ありはしない。

 

 

 

今こそ、

翼を広げる勇気を。

 

 

 

 

剣れいや

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